夕森公園

龍が守る森の中の滝

夕森公園の竜神の滝
夕森公園の竜神の滝

岐阜の宝ものに認定された「地歌舞伎」や「苗木城跡」のある中津川市ですが、今回紹介したいのは、紅葉の美しさで知られる夕森公園の奥にある神秘的の滝。

 

夕森公園は四季折々の美しい景色が広がる森に囲まれた景勝地ですが、少し奥の方まで進むと、突然の轟音が静寂を切り裂きます。音のする方に進んでいくと、そこには、巨大な白龍が巻き上がって来るかのごとく雄大な滝の姿が!

落差12m、岐阜県の名水50選にも選ばれている『竜神の滝』は、透明度が高く、光の加減によって、コバルトブルーやエメラルドブルーへと様々に姿を変えながら、たっぷりなマイナスイオンとその透明な美しさが心を癒してくれます。

 

龍神伝説碑
龍神伝説碑

そんな「竜神の滝」には、古くから語り継がれる伝説があります。

 

”その昔、村は幾度となく水害に見舞われていました。

ある時、村人が文字の刻まれた石を見つけ、庄屋様に見せると「その石は龍神様。滝へ祀らないと大変なことになる」とのこと。

早速、石を祀りますが、ある村人が滝の中へその石を蹴り落としてしまいます。

すると突然、滝の中から大きな白龍が姿を現し、天へと昇っていきました。

その後、龍様の怒りからか、村一帯に大雨が降り、山は崩れ、田畑も流されてしまいました。

生き残った村人は、それ以降、大切に龍神様を祀りました。”

 

 この伝説から、「竜神の滝」には、白龍が棲んで夕森の山々を守っていると言い伝えられ、園内に龍神様を祀る神社と、伝説が刻まれた石碑が残っています。

 

伝説を知った後に見る「竜神の滝」からはまた違った趣を感じます。

もしかして、さっき私が見間違えたと感じたのは、あたり一面に轟く唸り声をあげながら、大きな水しぶきをたて、天へと昇ろうとする本物の龍神様の姿だったのかもしれません。

(Y.S)