関ケ原合戦を追体験 | 三英傑ゆかりのサイクリングコース

その名も「天下一(てんかいち)!」

島の美しい海岸線をぐるりと走る淡路島一周「アワイチ」、雄大な富士を360℃から眺めながら走る富士山一周「ふじいち」、浜名湖の美しい波打ち際を走る「ハマイチ」、いわずと知れた琵琶湖一周「ビワイチ」と、全国にはサイクリストを惹きつける魅力的で有名な周遊コースがたくさんある。

 

岐阜県には海岸線や、広大な湖はないが、壮大な歴史物語をめぐるサイクリングコースが存在する。

その名も「天下一!」。

戦国武将で天下を目指した織田信長、豊臣秀吉、徳川家康の三英傑ゆかりの地をめぐるコースとなっている。

まずは、徳川家康率いる東軍と石田三成率いる西軍、総勢16万の兵が死闘を繰り広げた天下分け目の関ケ原古戦場を出発。戸田十万石の大垣城をまわり、秀吉出世のきっかけとなった墨俣一夜城へ。さらに、信長が天下布武を掲げた金華山岐阜城から、清流長良川のサイクリングロードを走り、中山道にまわって関ケ原古戦場へと帰ってくる約100kmのロングライドコースである。

この「天下一!」コースは、「美濃を制するものは天下を制する」と言われた濃尾平野を駆け巡り、戦国三英傑ゆかりの史跡を大周遊するだけでなく、もう一つの歴史物語を楽しむことができる。

それは、岐阜城攻防戦、合渡川の戦い、杭瀬川の戦い、関ケ原での決戦と、関ケ原合戦に至るまでの約1カ月にわたる美濃での東西攻防戦の軌跡をめぐる戦国歴史ファンにもたまらないコースとなっているのだ。

 

関ケ原合戦をテーマにしたサイクリングコースはこれ以外にも関ケ原古戦場周辺の陣跡などをめぐる初級者向け10キロ程度のポタリングコースから、サイクリストにもよく知られる心臓やぶりの二ノ瀬越えを含む約63kmの「島津退き口コース  天空ロード 二ノ瀬越チャレンジコース」などレベルに合わせて5つのコースが楽しめる。

 

古戦場から市街地、中山道の往時の雰囲気を今に残す宿場町、山中のワインディングロード、現在も「県道」として現存している渡船による長良川の横断や、サイクリスト御用達の長良川と木曽川のサイクリングコースを利用するなど、ユニークで変化に富んだルートとロケーションは、初級者から上級者まで満足できること間違いなし。ロードバイクでコースを颯爽と駆け抜けるのも良いが、是非とも史跡をじっくり訪問し、関ケ原合戦を追体験してもらいたい。

 (N.H)