写真提供 岐阜市
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ぎふ長良川鵜飼

鵜匠と鵜が織りなす伝統漁法

毎年5月11日~10月15日までの期間中、中秋の名月頃の1日と増水時を除いて毎夜行われる長良川鵜飼。

1300年以上の歴史を有し、長良川の鵜飼漁の技術は国の重要無形民俗文化財に指定されています。

 

その漁法は鵜匠が巧みに手縄を扱い鵜が飲み込んだ魚を吐き出させるといったものです。

 

そんな鵜飼の“道具”でもある鵜はなんと鵜匠の家で一緒に暮らしています。

鵜ははじめから鵜飼漁が出来るわけではなく、鵜匠が毎日毎日、漁を教えていくのです。

中にはすぐ覚えるセンスの良い鵜もいれば、全然上達しない鵜もいます。

 

鵜飼デビューをしたあともよく働く鵜もいれば、そうでない鵜もいます。

鵜匠は漁の前に、一羽一羽、鵜の体調を見て、漁に出る鵜を選びます。

体調の悪い鵜を休ませることだけではなく、時には働き者の元気な鵜をメンバーから外すこともあります。無理をしすぎないように。

毎日毎日、何か変わったことがないだろうか、それぞれの鵜に寄り添います。

こうして鵜匠と鵜は信頼を築いていきます。

 

そして漁の本番。

静かな長良川に「ホウホウ」という鵜匠の声と舟べりをたたく音が鳴り響きます。

この「ホウホウ」は鵜を「がんばれ!」と励ましている掛け声です。

この声を聞いた鵜は次々と魚を捉えていきます。

信頼している鵜匠の言葉だからこそ。

 

鵜は鵜匠にとって漁の“道具”ではなくまぎれもなく“パートナー”です。

 

そして年を重ねて漁ができなくなった鵜はそのまま鵜匠の家で生涯を終えます。

 

そんなドラマチックな長良川鵜飼。

見ないと“こ・うかい”(後悔)しますよ!

(S.T)

 


写真提供 岐阜市